我々は仕事をするにあたり、ムダな仕事をしようとは思ってはいませんが、結果として多くのムダを発生させていることが多いのです。その中で、ムダに気づこうとせず、また改善しなければ、生き残っていくことは困難です。
「ムダ」とは仕事をする上で、生産上または時間的に付加価値を生まないもの、また過剰な工数・材料を消費しているものを指します。
仕事の進み過ぎ、過剰人員・設備での材料の先食いなどにより発生する、最悪のムダ
7つのムダのうち、この「つくり過ぎのムダ」を最も大きなムダとしている。それは、造りすぎることによりムダを発生させ、尚且つ他のムダを見えなくしてしまうからです。必要な時に必要なものを必要なだけつくる。これが大きな考え方の柱の一つです。
自動化設備での見ているだけ、機械故障で作業ができない、部品待ち・欠品での作業手待ちでの状態
手待ちのムダと言うのは、読んで字の如く、自動機械をセットして動いている間ただジッと待っていたり、部品が届いていないために待っているというものです。
このムダは、他のムダに比べて誰でもすぐに判るムダ(ボーっとしてる人がいればそれが手待ちのムダ)なので、改善の対象になりやすいです。
必要以上の運搬距離、工程途中の仮置き・二度手間運搬の発生、積み替え移動
運搬のムダと言うのは、付加価値を生まない運搬作業のことを言います。
例えば、工場内でいくら部品を運搬しても製品が良くなるわけではないし、速く作れるわけでもない。ましてや運搬することでキズがついたりする可能性だって高くなります。そこで、出来るだけ運搬距離を短くし、積み替えをなくし、一時的な仮置きをやめることでムダをなくしていくのです。
作業状態が不安定、または作業者が未熟なために最適速度で加工できない
加工そのもののムダと言うのは、付加価値を生まない加工のこと言います。通常、付加価値を高めるために、モノを加工する。食材を調理して料理とすることで価値が生まれる。糸を布に加工することで、その布を服に加工することで、それぞれ新たな価値が生まれてくるのです。
しかし、全ての加工が付加価値を高めるための作業となっていない場合があります。例えば、仕入れた布が汚れた為に、服にする前に洗濯をした。綺麗にしなければ、服は売れない。当然行わなければならない作業ですが、「この服は一度洗濯しているので、洗濯代金を別途いただきます」と言われて、納得するでしょうか。
買う服が綺麗なのは当たりまえで、汚れていたのを綺麗にしたからと言って洗濯代は払わないでしょう。
ここでは洗濯は価値を生まない作業なのです。綺麗な布を仕入れることは不可能なことでなく、汚れた布を使っていることを改善しないことが、そもそも問題だからです。
倉庫費・運搬費・管理費などの在庫管理費用や、錆等での劣化損
在庫のムダの話をすると、「在庫を減らすとお客さんに迷惑が掛かる」と言う人が必ずいます。確かに、お客さんが欲しい時に品物がないために、売ることができないのは困りものです。そこで、安全在庫と言う考え方がでてきます。
安全在庫とは、読んで字の如く安全な在庫量のことで、これだけあれば迷惑をかけることがないと言う量のことです。しかし、この迷惑を掛けない量と言うのが曲者で、多くの会社ではこの数倍の在庫を抱えていることも少なくありません。
また、いっぺんに買うと安いからとか、少量だと売ってくれないからと言う理由で必要以上の材料を多く買ってみたり、いっぺんに作ると経済的だと思い込んで、5個しかいらないのに20個作って在庫にしてみたりと、在庫が増える要因は多々挙げられます。
悪いことに当の本人は、いつか使う材料だから良いだろう。そのうち売れるから良いだろう。と思っているのです。
では、なぜ在庫がムダと言われるのか。
(1)在庫が不必要になってしまう可能性がある。
現在の目まぐるしい社会では、いつ売れなくなってしまうかわからない。
(2)在庫は現金が姿を変えているだけで、売れるまで自由に使えない。
→ キャッシュフローの悪化
黒字倒産の主な原因は、在庫と売り掛けと設備投資と言われています。
(3)在庫が多いと言うことは、モノの流れが悪いということ。
在庫(お金)に頼っていると、会社の真の競争力がみえなくなってしまう。
細かく言えば他にも色々とありますが、在庫はお金そのものだと言うことです。お金を必要以上に置いておくのはムダだということです
歩行や材料・治具などの取り置き、またムリな作業姿勢や判断の間違いによるロス
「動作のムダ」とは、付加価値を生まない動作のことを指しています。モノを取りに行く動作、モノを探す動作、モノを入替る動作などの不要な動作のことであり、別の言い方で、「働く」と「動く」とに分けています。
「働く」とは 付加価値を高める作業であり、「動く」とは 付加価値を高めない作業のことです。即ち、いくら会社に来て汗水流して動いていても、働かなくてはダメなのです。
不良発生による、材料及び部品・工数のムダ
「不良を作るムダ」とは、製造業において不良品を作ってしまうムダのことで、不良を造ると言うことは、
(1)手直しをして直せる場合は、その時間が無駄になる。
(2)直せない場合は、材料費やそれを造った作業にかかった費用の全てが無駄になる。
(3)さらに、どちらにしても時間が余計にかかることにより、計画に狂いが生じてしまう。
(4)もっと悪くすると、不良品がお客に渡ってしまう。
料理を作るときに、塩と砂糖を間違ってしまったと言えば、わかりやすいかもしれません。